つい先日も「グルテンフリーを安易に始めるとキケンなワケ」を書いたばかりですが、ついにグルテンフリーが健康に害をもたらすという研究結果がハーバード大学から発表されてしまいました。
米ハーバード大学が行った、30年間にわたる大規模な研究によりますと、「グルテンをごく少量しか摂取しない、あるいは完全除去すると、糖尿病になるリスクが13%も高まる」という結果が得られたのです。
グルテンフリーは本来セリアック病という自己免疫疾患の患者さん向けの食事療法なのですが、それを拡大解釈し、食品業界も便乗する形で現在のブームが広まっています。
グルテンフリー食はやはり食物繊維やミネラル、ビタミンなどの含有量が乏しく栄養価が低いのです。
身体が必要としている栄養素をまかなえない上に、糖尿病や腸内環境に重要な食物繊維が不足してしまいます。
ハーバード大学の研究者は「グルテンフリー食に健康上の利益があることを示す証拠はない」と断言しています。
グルテンフリー食材の売上が伸びているようですが、やはり安易にブームに乗るのは考えものです。
寿命が約10年も縮まるという糖尿病になってしまったり、アンチエイジングや健康に一番重要ともいえる腸内環境を乱してしまっては元も子もありません。
南雲先生も言っていますが、一部だけあるいは一部を抜いたものではなく、「食材の全体を食べる」こともアンチエイジングの大原則です。
考えてみると、グルテンフリー食やカフェインフリーなどは一部を抜いただけではなく高度に精製加工された食品なのですね。
ヒト、特に日本人が古来より食してきたものを安易に切り捨てたりせずに、その良さを再評価し、成分の一部だけを抜いた食品の有効性を慎重に検証する必要があるでしょう。